皇暦(こうれき)2010年8月10日、神聖(しんせい)ブリタニア帝国は日本に宣戦布告した。
極東で中立を謳う島国と、世界唯一の超大国ブリタニア。両者の間(あいだ)には、日本の地下資源を巡る根深い外交上の対立があった。
本土決戦においてブリタニア軍は、人型自在戦闘装甲機『ナイトメアフレーム』を実戦で初めて投入。
その威力は予想を遥かに超え、日本側の本土防衛線は、ナイトメアによってことごとく突破されていった。

日本は帝国の属領となり、自由と、権利と、そして名前を奪われた。

『エリア11(じゅういち)』―― その数字が、敗戦国日本の新しい名前だった・・・。


Lelouch :僕は・・・ スザク、僕は・・・ ブリタニアを、ぶっ壊す!


    終戦7年後 2017a.t.b.

    ブリタニア人居住地 トウキョウ租界

Police :こちらアルファ3(スリー)。ターゲットはデルタ12(トゥエルブ) よりデルタ14(フォーティーン)に入った。時速80キロで移動中。
CCPより各移動

フロア5(ファイブ)よりフロア2にコード3(スリー)。
各移動にあっては288
(にはちはち)、ターゲットを確保されたい

TV :先日、オオサカで起きた爆弾テロの映像です。
ブリタニア人8名、その他51名の死傷者を出したこの惨事は・・・


Man :持ち時間が切れました。
ここからは一手(いって)20秒以内でお願いします。


Nobleman :だ、そうだよ。
ん?代理人のご到着かな?

Man :いや、助かったよ!
学校のほうはいいのか?


Nobleman :なんだ、学生か。

Lelouch :ふっ、なんだ、貴族か。

Nobleman :若者はいいな、 時間がたっぷりある・・・  後悔する時間が!
名は?


Lelouch :ルルーシュ・・・ ランペルージ。

Rivalz :おいおい、いっくらなんでもこりゃ勝てないって、なあ!

Lelouch :リヴァル、次の授業に間に合うには何分(ぷん)後にここを出ればいい?

Rivalz :あー、飛ばせば20分(ぷん)ほどで・・・

Lelouch :なら、帰りは安全運転で頼む。

Rivalz :はー?

Lelouch :9分で済む。
マスター、こないだの件・・・


Man :わかったよ、話はつけとく。

Nobleman :9分? 一手(いって)、20秒だぞ。

Lelouch :十分。

Nobleman :ん?キングから?
フ、ハハハハ!


Milly :ルルーシュは?

Shirley :リヴァルが連れてっちゃって・・・

Milly :また代打ち?ポーカーかな~?それとも~・・・ 

Shirley :二人(ふたり)とも生徒会の自覚がないんだから!
お金賭けてるんですよ!
頭いいのに、ルルは使い方おかしいんです!
ちゃんと勉強すれば成績だって、ねえ?


Milly :「うちのルルちゃんは本当は真面目な子なのに!」
かわいいねぇ~!


Shirley :ちょっと、会長・・・

Nagata :くっそぅ、やっと盗み出せたってのに!
タマキのやつがナオトの作戦通りに動かないから!


Rvalz :貴族、最高!
プライドあるから支払いも確実だしねー。
その上、8分32秒の新記録!


Lelouch :相手の持ち時間も少なかったしな。
それにぬるいんだよ、貴族って。
特権に寄生しているだけだから。


Rivalz : じゃ、イレブンとやってみるか?
俺らブリタニア人と違って――
ん?


男:
ひどいな、無関係の人を巻き込んで……

女:
イレブンってこわい!

TV:
お待たせしました。 ブリタニア帝国第三王子クロヴィス殿下、会見の時間です。

クロヴィス:
帝国臣民の皆さん、そしてもちろん協力いただいている大多数のイレブンの方々も。

カレン:
イレブンじゃない、日本人だ!

クロヴィス:
分かりますか? 私の心は今二つに引き裂かれています!
悲しみと、怒りの心にです!
しかし、このエリア11を預かる私がテロに屈するわけにはいきません!
なぜなら、これが正義の戦いだからです!
全ての幸せを守る正義の…
さあ皆さん、正義に殉じた8名に哀悼の意を共に捧げようではありませんか。


TV:
黙祷。

リヴァル:
え、やんないの?

ルルーシュ:
リヴァルは?

リヴァル:
えへ、恥ずかしいでしょ

ルルーシュ:
そうだな。
それに俺たちが泣いたって死んだ人間は生き返らない。


リヴァル:
うわっ、刹那的。

ルルーシュ:
所詮自己満足。
どれだけ背伸びしたってどうせ、世界は変わらない。


女:
素敵でしたわ、殿下!
先程までパーティーを楽しんでらした方(かた)とは思えません。


クロヴィス:
総督はエリア11の看板役者ですからねぇ…
このくらいの変わり身は…


女:
まあ、自信がおありですこと。

クロヴィス:
心構えですよ。
自信などと、メディアの方々が喜ぶだけです。


マスコミ:
あ、いえいえ、私(わたくし)どもはクロヴィス殿下の治世に、少しでも助けになればと…

ディートハルト:
張りぼての治世か。

バトレー:
殿下!

ディートハルト:
ん? 軍人?

クロヴィス:
何だ、無粋な。

バトレー:
申し訳ありません! しかし…!

ディートハルト:
また特番かな?せめて素材は…

クロヴィス:
愚か者!!

バトレー:
け、警察にはただの医療機器としか…
全軍を動かして――


クロヴィス:
直属を出(だ)せ! ナイトメアもだ!

無線:
アラート1(ワン)発令! アラート1(ワン)発令!
第4、第7、第8、[ ]隊、並びに第31航空[ ]艦は直ちに[ ]せよ。
第9特[  ]団、出撃スタンバイ。


リヴァル:
最初の手さ…

ルルーシュ:
ん?

リヴァル:
何でキングから動かしたの?

ルルーシュ:
王様から動かないと、部下がついてこないだろ。

リヴァル:
あのさ…

ルルーシュ:
何?

リヴァル:
ルルーシュって、社長にでもなりたいわけ?

ルルーシュ:
まーさか。ヘンな夢は身の破滅…

リヴァル:
うわあっ、なんですか!?

ナガタ:
のんきに走りやがって!

カレン:
やめろ! そっちは――!

リヴァル:
あの、俺たちのせい?

ルルーシュ:
まさか…ん?

無線:
本庁へ。
ターゲットは開発途中で放棄されたVOビルの――

待て、本件は軍に移った。バトレー将軍だ。

将軍??

バトレー:
回収せねば…なんとしても! あれは――!

ルルーシュ:
何だ?

リヴァル:
おいルルーシュ、エナジーの線が切れたみたいなんだけど。

ルルーシュ:
あぁ… なあ、あれって…

ガヤ:
おーいぉぃ、こっちこっち!
うっひゃーーっ! 悲惨…
なになに? 事故?
酔っ払ってんじゃないのー?
馬鹿なヤツ!
おい誰か、助けに行ってやれよ。

ルルーシュ:
ふん、どいつもこいつも…

リヴァル:
おい、ちょっと!

ガヤ:
おっ、学生救助隊登場!
誰か、警察ぐらい呼んであげたら?

ルルーシュ:
おい、大丈夫か!

リヴァル:
あのさ、やっていることは正しいんだけど、止めてほしいんだよね…
無意味なプライド発揮すんの。授業遅れちゃうって…

カレン:
ナガタ!? ナガタ!?

ルルーシュ:
おい!聞こえるか!

C.C.:
見つけた! 私の…

ルルーシュ:
え? どこだ? そこにいるのか?

ルルーシュ:
おい、止まれ!

リヴァル:
ああいうのも当て逃げっていうのかな…?

ルルーシュ:
内側にも梯子付けておけよ!

軍:
警告する!
今ならば、弁護人をつけることが可能である!
直ちに停車せよ!

ナガタ:
軍まで出てきた! どうする!?

カレン:
そのために私がいるんでしょ!

ルルーシュ:
出るのは危ないな…
何かやばそうだし…
携帯で――

カレン:
アザブルートから地下鉄に入(はい)れる!

ナガタ:
カレン、ここであれを使ってしまおう!

カレン:
それじゃ虐殺よ!

ナガタ:
ん? そうだな…

ルルーシュ:
あの女…

リヴァル:
どこだよ、ルルーシュ!
学校行かないと!

無線:
ターゲットは租界からゲットーへ向かいます。
よしっ、追い込め。
イエス!

軍人:
スラッシュハーケン!?
ナイトメア!!

ルルーシュ:
くそっ!本物のテロリストじゃないか!

カレン:
こいつの威力はお前達がよく知ってるだろ!?

ジェレミア:
お前達は下がれ、私が相手をする。
どこから流れたのかは知らぬが、旧型のグラスゴーではこのサザーランドは止められぬ!
ましてや、皇帝陛下の情愛を理解できぬイレブン風情にはな!

ナガタ:
カレン、別行動だ!
共倒れはまずい!
お前は逃げろ!

カレン:
でも…!

ヴィレッタ:
ふん、単純な奴(やつ)だ。

カレン:
なんで!ええい!

ジェレミア:
中古品が!
ほお、思い切りがいいな。
しかし・・・

ルルーシュ:
ちっ、携帯は圏外か…
この暗さと路面状況…かつての地下鉄路線を走っているな…
行き先はどこかのゲットー…
出るのは危険…
でも・・・よしっ、見えた。
条件はクリア。
軍の保護は癪だが、テロリストの通信機を土産に――
あっ、忘れてた。

リヴァル:
あいつー!俺を置き去りにして!

ロイド:
あは~?

バトレー:
(な)…何故それを…?

ロイド:
あ、当たっちゃいました?

バトレー:
貴様!

ロイド:
やりすぎですって。
将軍とクロヴィス殿下が内緒にしていた何かをテロリストに奪われた…
取り戻すのは簡単だけど、仲間もまとめて掃除をしたい…
テロリストを泳がせればアジトが分かる…
おめでとう!君(きみ)の推理、 大当たりだ!

セシル:
あ、いえ、私はただおかしいと…

バトレー:
もういい!
で、特派としてはどうしたいんだ?

ロイド:
だから、掃除を手伝いたいんですよ。

バトレー:
手伝い?

ロイド:
ええ、データが欲しいんです。

セシル:
それで何ですか、奪われたものって…?

バトレー:
化学兵器、つまりは… 毒ガスだ

Royal Guard :テロリストは地下鉄構内に潜伏している。
貴様達の目的はテロリストが奪った兵器を見つけることにある。
イレブンの居住地・シンジュクゲットー、旧地下鉄構内を探索せよ

発見し次第、コールを送れ。 ターゲットの回収は我が親衛隊が執り行なう。
貴様達は名誉ブリタニア人とはいえ、元はイレブンだ。
同じサルの臭いを嗅ぎ分けろ!
銃火器の携行を許可される身分になるため、功績を挙げろ!
今こそ、ブリタニアに忠誠を見せるチャンスである!


Honorary Britanian :イエス、マイ・ロード!

Lelouch :事故か?それとも…

Nagata :だ、ダメか。
頼む、扇… 見つけて…!


Military :404(よん・まる・よん)がターゲットを発見しました。

Royal Guard :よしっ、回収準備!

Lelouch :今のうちに、上からよじ登れば…

ブ、ブリタニア軍!?


Suzaku :殺すな、これ以上!

Lelouch :待て、俺は――!

Suzaku :しかも毒ガスなんて…
惚けようとしても!


Lelouch :だから!
どうせその毒ガスだって、ブリタニアが作ったんだろ?


Suzaku :お前…

Lelouch :「殺すな」?
だったら、ブリタニアをぶっ壊せ!


Suzaku :ルルーシュ?
僕だよ、スザクだ。


Lelouch :お前… ブリタニアの軍人になったのか?

Suzaku :君は…?
まさか、これ…


Lelouch :何言ってんだ?

Suzaku :毒ガスじゃ…ない?


Kallen :ごめん、慌てて上着ごと…

Ogi :いいさ。
グラスゴーの回線が使える。
それより…やはり…?


Kallen :ああ、情報どおり毒ガスだと思う。


Ogi :ナガタは?

Kallen :分からない。
地下だとは思うけど…


Lelouch :答えろよ、スザク。
毒ガスか?この子が?


Suzaku :しかし、ブリーフィングでは確かに…

Royal Guard :この猿が――
名誉ブリタニア人にはそれまでの許可は与えていない!


Suzaku :しかしこれは、毒ガスと聞いていたのですが。

Royal Guard :抗弁の権利はない!

Lelouch :まずい… 確かに毒だ…
外に漏れれば、スザクの主人達が危うくなるほどの…猛毒



Royal Guard :だが、その功績を評価し、慈悲を与えよう。
枢木(くるるぎ)一等兵
、これでテロリストを射殺しろ。

Suzaku :彼は違いますよ。
ただの民間人で、巻き込まれただけです!


Royal Guard :貴様――!
これは命令だ。
お前はブリタニアに忠誠を誓ったんだろ?


Suzaku :それは… でも、できません。

Royal Guard :何ィ?

Suzaku :自分はやりません。民間人を… 彼を撃つような事は。

Royal Guard :では、死ね。

Lelouch :スザク!

Royal Guard :見たところ、ブリタニアの学生らしいが不運だったな。
女を捕獲したのち、学生を殺せ。

Military :イエス、マイ・ロード。

Nagata :ブリタニアの… クソども…。 日本… 万歳!

バトレー:
逃げられただと?! それでも親衛隊か!

隊長:
も…申し訳ありません…
爆風はほぼ上方(じょうほう)に拡散したのですが、岩盤が…


バトレー:
何ゆえお前達だけに教えたと思っている!

隊長:
た、探索を続行します!

クロヴィス:
作戦は次の段階だな。

バトレー:
(し)…しかし殿下…

クロヴィス:
アレが外に知られたら私は廃嫡だよ。
本国には演習をかねた区画整理と伝えよう。

第三王子クロヴィスとして命じる!
シンジュクゲットーを壊滅せよ!


男:
どうしてブリタニアが!

女:
おじいさん!

軍人:
よし、次は上のフロアだ!

バトレー:
相手は名誉ブリタニア人にすらなれない屑どもだ!
一匹残らず抹消せよ!

ジェレミア:
当然。

軍人:
ジェレミア管理官、バトレー将軍が第二方面軍の指揮を採ってほしいと――

ジェレミア:
参謀がいるだろ!
せっかくの前線、楽しませてくれよ!


ルルーシュ:
何なんだよ、お前は!
お前のせいなんだろ、この騒ぎは!なあ!?
しかもブリタニアは… ブリタニアがスザクまでも!


ロイド:
いないって?

セシル:
前線に投入されたようです。

ロイド:
ランスロットを連れてきたのに?

セシル:
どうしますか?

ロイド:
ゴリ押ししても、デバイサーがいないんじゃなぁ…

ルルーシュ:
いいか?そこで待ってろ。

隊長:
どうだ。

隊員:
イレブンしかいないようです。

隊長:
この辺りなんだな? 出口の一つは。

隊員:
はい。旧市街との地図は、照合済みです。

シャーリー:
ん゛ー!切っちゃたよ、ルルのヤツ!

隊長:
テロリストの最期にふさわしいロケーションだな。

ルルーシュ:
お前ら…!

隊長:
ま、学生にしてはよく頑張った。
さすがはブリタニア人だ。
しかしお前の未来は…今、終わった。

C.C.:
殺すな!

ルルーシュ:
おい!

隊長:
ふん、できれば生かしておきたかったが…
上にはこう報告しよう。
我々、親衛隊はテロリストのアジトを見つけ、これを殲滅。
しかし、人質は既に殴り殺し(嬲り殺しと言っているように聞こえます)に遭っていた…
どうかね、学生くん?

ルルーシュ:
なんだ、これは! 
スザクも、この子も… そして、終わるのか…?俺も?
何一つ出来ないまま、あっさりと…
ナナリー……!

C.C.:
終わりたくないのだな、お前は?

ルルーシュ:
なっ、なんだ?

C.C.:
お前には生きるための理由があるらしい。

ルルーシュ:
さっきの女か? まさか…

C.C.:
力があれば生きられるか?
これは契約… 力をあげる代わりに私の願いを一つだけ叶えてもらう。
契約すれば、お前は人の世に生きながら人とは違う理(ことわり)で生きることになる…
異なる摂理、異なる時間、異なる命…
王の力はお前を孤独にする…
その覚悟があるのなら――

皇帝:
ラグナレクの接続… 
神話の再びの始まりか!

ルルーシュ:
いいだろう、結ぶぞ! その契約!
なあ、ブリタニアを憎むブリタニア人は、どう生きればいい?

隊長:
貴様、主義者か…!?

ルルーシュ:
どうした、撃たないのか?
相手は学生だぞ…
それとも気づいたか?
撃っていいのは、撃たれる覚悟がある奴(やつ)だけだと!


兵士:
な…何だ…?


ルルーシュ:
ルルーシュ・ビ・ブリタニアが命じる! 
貴様達は… 死ね!


隊長:
ふふふふ
イエス、ユア・ハイネス!

ルルーシュ:
あの日から、俺はずっと嘘をついていた…
生きてるって嘘、名前も嘘、経歴も嘘、嘘ばっかりだ…
まったく変わらない世界に飽き飽きして、でも嘘って絶望で諦めることも出来なくて…
だけど手に入れた…?力を…!
だから―――!